イベントの双方向性を高める「NFCスタンプラリー」を実例付きで解説
イベントを計画する際、「どうすれば参加者にもっと楽しんでもらえるか」と悩むことはないでしょうか。
参加者の満足度を高めることは、イベント成功の鍵です。
しかし、新しい情報やエンターテインメントに手軽にアクセスできる現代において、ユーザーの興味を保ち続けるのは至難の業です。単調なコンテンツや、双方向性の少ないイベントでは、すぐに飽きられ離脱されてしまうでしょう。
そこで有効な施策の一つが、デジタルスタンプラリーです。特にこの記事で紹介するNFC(非接触ICチップ)を利用したデジタルスタンプラリーは、スマートフォンの扱いに慣れないユーザーも手軽に参加でき、利用者のストレスを低減します。
この記事で実例として紹介する「シンいばらきメシ総選挙2024」では、このNFCスタンプラリー活用がイベントの一体感を高めることに寄与しました。
本記事では、NFCデジタルスタンプラリーの利便性と今後の可能性について解説します。
参加のハードルを下げるNFC方式
「シンいばらきメシ」では、各店舗のブースにNFCタグを設置。利用者はNFC対応スマートフォンをかざすだけでスタンプを取得できます。
デジタルスタンプラリーとして一般的なQRコードを読み取る形式に比べて、直感的で簡単な操作が可能となりました。特に、高齢層などスマホの使い方に慣れないユーザーにも手軽に利用してもらえるため、多くの人々に参加のハードルを下げる効果があります。
NFC非対応のスマートフォンを利用する参加者向けに、従来のQRコードも併用できるよう設計。多様なユーザー層が参加できるようにしたことで、6.4万人の来場者の多くに利用してもらうことができました。
ユーザー参加型要素
「シンいばらきメシ」では、スタンプラリー機能に加え、参加者が集めたスタンプに基づいてお気に入りの店舗に投票する仕組みを取り入れました。
この投票機能により、参加者は自らの行動がイベントに影響を与えることを実感することができます。双方向性は、イベントの一体感を高める上で重要な要素ですが、投票機能により手軽にそれを取り入れることに成功したというわけです。
デジタルスタンプラリーの可能性
今後、NFCスタンプラリーは「リアルとデジタルを繋ぐ要素」として、さらに多くの可能性を秘めています。
特に、ブロックチェーン技術との親和性の高さは大きな魅力です。スタンプ自体をNFT化したり、過去のデータを安全かつ半永久的に保存し、多様な形で活用することが可能になるからです。
現状のシステムでは、スタンプラリーの参加データは専用のデータベースに一時的に保存され、イベント終了とともに役割を終えています。しかし、ブロックチェーンを導入することで、このデータを安全かつ永続的に保持することができ、次回のイベントやマーケティング施策に活用できるようになります。規制が進みつつあるCookieに代わる存在として注目すべきでしょう。
データの具体的な活用例としては、以下のようなアイデアが考えられます。
- 特典のパーソナライズ
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過去の参加履歴を参照し、ユーザーごとの好みに合わせた特典を提供することができます。これにより、リピーターの満足度が向上するでしょう。
- デジタルバッジの共有
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参加者が集めたスタンプをデジタルバッジとしてSNSで共有できる機能を追加することで、イベントの拡散効果が期待できます。
- 特別招待の実施
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特定のスタンプ数を集めた参加者に対して、次回の特別イベントへの招待や限定コンテンツを提供することで、参加率やエンゲージメントを高めることが可能です。
ただし、ブロックチェーンの導入には課題も伴います。データの安全性を確保するための高度な暗号化技術の採用や、運用コストの増加といった問題です。そうした課題を解決できるブロックチェーンのソリューションもあります。
私たちマネーパートナーズソリューションズでは、貴社の課題に合わせたソリューションのご相談にも対応いたします。以下のフォームより、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
「シンいばらきメシ総選挙2024年」でのNFCデジタルスタンプラリーの導入は、イベントを盛り上げるためのユーザー参加型要素として非常に効果的でした。
簡単な操作で誰もが楽しめる仕組みを提供し、参加者のエンゲージメントを向上させることに成功しています。
今後も技術の進展とともに、NFCスタンプラリーはイベントの価値をさらに高める手段として活用されることでしょう。
なお、今回使用した投票機能では、参加者全員が投票できる仕組みでしたが、本人確認できる仕組みを取り入れることでより厳密な応募の取り扱いも可能になります。